前糖尿病

前糖尿病とは何ですか？

「前糖尿病」（または糖尿病予備軍）は、しばしば、血糖値が正常値よりも高いが、糖尿病として分類されるまでは高くない状態のことを言います。これは、糖尿病を発症する血糖範囲における中段階であると考えられています。前糖尿病は、空腹時血糖異常（IFG）と耐糖能異常（IGT）の2つのカテゴリに分類されています。

ほとんどの医療従事者は空腹時血糖異常（IFG）と耐糖能異常（IGT）のどちらかを言及する場合、一般的な用語である「前糖尿病」を使用する傾向にあります。それは病因、治療方、病歴、および潜在的な合併症率が類似しているからです。

前糖尿病の原因は何ですか？
前糖尿病の根本的な原因は、インスリン抵抗性です。インスリンは膵臓で生産されるホルモンです。体は食べ物を消化し、インスリンをエネルギーに変換します。ブドウ糖（グルコース）は、身体のエネルギーの主要な源の一つであり、炭水化物の消化によって得ることができます。ブドウ糖が血流に取り込まれると、インスリンは、エネルギーを作り出すために体がブドウ糖を細胞に吸収するのを助ける働きをします。インスリンを生産する体の能力は、血糖を吸収し、体の血糖値を適正範囲内に保つことにより、インスリンに反応する細胞の能力と結合されます。

前糖尿病は、インスリン抵抗性によって特徴づけられます。身体が十分な量のインスリンを生産するが効果的に使用することができない状態を言います。細胞がインスリンの効果に対し敏感に反応せずに、血糖値が高くなってしまうのです。

インスリン抵抗性は、前糖尿病に関連する血糖値の上昇の開始に先行します。その初期段階において、膵臓は、より高いレベルのインスリンを生産することによって、細胞のインスリンに対する鈍感さを補っているのです。この高いレベルでのインスリンの循環が、血糖値を正常範囲内に維持します。膵臓が正常範囲内に血糖を維持するために十分な量のインスリンを提供できなくなった場合、前糖尿病が発生します。

なぜ前糖尿病を知ることが重要なのでしょうか？

適切な治療を受けないと、前糖尿病を持つ個人の3分の1は、6年以内に糖尿病を発症します。
前糖尿病を持つことは、将来的に心血管疾患を発症するリスクが高くなります。

前糖尿病になる可能性が高い人

太り過ぎ/肥満度指数>25（アジア人は>23）
家族（親・兄弟姉妹）に糖尿病がいる
運動は週に3回未満
HDL（善玉コレステロール）が少なく、トリグリセリドレベルが高い
妊娠中の高血糖（妊娠糖尿病）
10ポンド以上の大きな赤ちゃんを出産したことがある
コレステロールを下げる「スタチン」薬を服用している

前糖尿病の検査をすべき人

前糖尿病の危険因子がある
45歳以上
心血管疾患がある

糖尿病を発症する可能性を減らすためにできること

太りすぎている場合は5～10％の体重を減量してください。（少しでも減量するほうが、全くしないよりは良い）
繊維質が豊富で健康な自然食品（未精製および未処理の果物、野菜、ナッツ、種子、豆、豆類、エンドウ）などを食べ、精製された炭水化物、白米、白パン、ジャガイモ、パッケージのスナック菓子、ケーキ、ペストリーなどを控えめ、または摂取しないようにします。
避けるべき必要のある食品について不明である場合は、栄養士に相談してください。
強度中程度のエクササイズを、少なくとも週に5日、少なくとも30分はします（全く運動をしないよりは良い）
- 呼吸が速くなる程度の運動
- 脈拍を上げる
- 適度に発汗する
- 運動中にパートナーと会話を続けることができる程度
質の良い睡眠を 6時間以上取って下さい。
場合によっては、薬剤により糖尿病を発症する可能性を減らすことができるため、医者に相談することをお勧めします。

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