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妊娠中と栄養について

バランスの取れた食生活は、妊娠中の健康管理には不可欠です。ビタミンとミネラルは、身体機能全体において非常に重要な役割を果たします。妊娠中は、妊娠していない女性よりも多くの葉酸と鉄を必要とします。

なぜ、ビタミンとミネラルが食生活において大切なのでしょうか?どのように、妊娠中に必要とするビタミンとミネラルを摂取することができますか?バランスのとれた食生活とは何ですか?どのように、妊娠中の健康的な食事プランを作ったら良いでしょうか?

ビタミンと栄養

まず第一に、妊娠中に特に推奨される栄養素についてご覧下さい。

葉酸: 葉酸塩としても知られる葉酸は、妊婦にとって重要なビタミンBです。出産可能なすべての女性は、0.4ミリグラムの葉酸を含むマルチビタミン剤を毎日摂取し、食生活からも葉酸を摂取することをお勧めします。葉酸を、妊娠前は毎日400マイクログラム、妊娠中は毎日600マイクログラムを摂取することで、赤ちゃんの脳と脊柱の神経管欠損と呼ばれる大きな先天性欠損症を防止するのに役立ちます。葉酸を含む食品は、オレンジジュース、青菜、豆、ピーナッツ、ブロッコリー、アスパラガス、エンドウ豆、レンズ豆と穀物製品などが挙げられます。食事のみから推奨量を摂取するのは難しいので、妊婦と妊娠予定のあるすべての女性は、葉酸の適切な量を含有するビタミンのサプリメントを毎日摂取することをお勧めします。妊婦用のほとんどのブランドのビタミン剤は少なくとも必要な量(400~1,000マイクログラム)の葉酸を含んでいます。過去に赤ちゃんが神経管閉鎖障害(例えば二分脊椎症または無脳症)を煩ったことがある方は、今後より多くの葉酸を摂取する必要があります。一般的には、400マイクログラム/日の服用を必要とするだけです。

ビタミンC: この栄養分は、感染防止、治癒促進、そして鉄の吸収を促します。ビタミンCを多く含む食品は、オレンジ、グレープフルーツ、ビタミンC強化ジュース、トマト、イチゴ、スイカ、カンタロープ、ブロッコリー、ホウレンソウ、ジャガイモ、キャベツ、コールスロー、コラードとカラシナ、ピーマンなどです。

ビタミンD: ビタミンDは、カルシウムを作り、赤ちゃんの骨と歯の発達を促進します。そしてまた、健康な皮膚と視力にとっても不可欠です。妊婦を含むすべての女性は、1日につきビタミンDを600IU必要とします。ビタミンDが強化された牛乳や、サーモンのような脂肪質の魚にはビタミンDが多く含まれます。また日光浴をすることで、皮膚が科学反応を起こし、ビタミンDを作り出します。

カルシウム: カルシウムは赤ちゃんの骨と歯をつくるのに用いられます。19歳以上の妊婦を含むすべての女性は、毎日1,000ミリグラムのカルシウムを摂取すべきです。4歳~18歳の女性は、毎日1,300ミリグラムを摂取すべきです。牛乳や、チーズやヨーグルトなどの乳製品は、カルシウムを非常に多く含んでいます。乳製品が苦手な方は、ブロッコリー、緑の濃い葉物野菜、サーディンまたはカルシウム補助剤からカルシウムを摂取しても良いです。

鉄分: 鉄分は酸素を各器官や組織へ伝達する赤血球で物質を作るために用いられます。妊娠中は、多くの鉄分を必要とします。妊娠していない女性が必要とする2倍の量が必要です。この鉄分が、体が赤ちゃんに酸素を供給するためにより多くの血を作るのを助けます。貧血は、多くの場合鉄分の欠乏に起因します。鉄分の妊娠中の1日の推奨量は27ミリグラムで、ほとんどの妊婦用のビタミン剤に含まれています。脂肪の少ない赤肉、家禽、魚、乾燥豆とエンドウ、鉄分の強化された穀類とプルーンジュースなど、鉄分の豊富な食品を食べると良いでしょう。鉄分は柑橘類の果物やトマトなどのビタミンCと一緒に摂取すると、より吸収率が上がります。

オメガ-3脂肪酸: これらは、多くの種類の魚に含まれる脂肪の一種です。オメガ-3脂肪酸は、妊娠中、そして出産後の両方において、赤ちゃんの脳発達に非常に大切な栄養素です。魚、卵、亜麻の種、クルミ、青菜と大豆とカノーラ油などに多く含まれます。妊娠中や授乳中の女性は、オメガ-3脂肪酸を摂取するために、週に少なくとも2サービングの魚または甲殻類(およそ8~12オンス)を食べることをお勧めします。

油と脂肪: 油と脂肪は、重要な栄養分を与えます。妊娠中に食べる脂肪は、エネルギーを供給し、胎児の器官と胎盤を作るのを助けます。食生活の大部分の脂肪と油は、植物源から摂取することが好ましいです。動物性の固体脂肪は控えて下さい。固体脂肪は加工食品に多く含まれています。

カロリー: 必要カロリーは、妊娠前体重によります。妊娠最後の6ヵ月は、1日につき更に300キロカロリーを消費することを必要とします。覚えておいていただきたいのは、妊娠中は2人分食べなければいけないわけではありません。好きなものを好きなだけ食べていいわけでもありません。また逆に、妊娠中の減量は赤ちゃんの成長に支障をきたす場合があるので、安全ではありません。すべてのカロリーが等しいというわけではありません。母親と赤ちゃんは、健康的な栄養豊富な食品を必要としています。カロリーの無い清涼飲料やキャンディ、デザートや、ファーストフードではありません。

体重増加

太りすぎや肥満の女性は、妊娠問題を患う危険が高くなります。妊娠中の問題とは、妊娠糖尿病、高血圧、子癇前症、早産、帝王切開などです。太りすぎや肥満の母親から生まれる赤ちゃんも、特定の問題(例えば先天性欠損症、出生に怪我を伴う可能性のある胎児性巨大児や小児肥満症)のリスクが高まります。どれくらいの体重増加が健康ですか?アメリカ合衆国の医学研究所(IOM)によると、妊娠中に推奨される体重増加は、以下の通りです:

やせ気味       BMI<18                      28~40ポンド増加(12.7~18キロ増加)

標準              BMI 18.1 to 24.9          25~35ポンド増加(11.4~16キロ増加)

体重超過       BMI 25 to 29.9            15~25ポンド増加(6.8~11.4キロ増加)

肥満              BMI>30                       11~20ポンド増加(5~9キロ増加)

双子                                                 35~45ポンド増加(16~20.5キロ増加)

Underweight – body mass index (BMI) <18

バランスのとれた食生活

妊婦とこれから生まれてくる赤ちゃんが必要とする栄養素を摂取するために、毎日の基本的な食生活を計画しましょう。

●6~11サービングの穀物製品

●3~5サービングの野菜

●2~4サービングの果物

●4~6サービングの牛乳と乳製品

●3~4サービングの肉とタンパク質食品

●6~8杯の水、フルーツジュースまたはミルク

○脂肪過多の食品やお菓子はできるだけ控える

妊娠中に健康的な食事を計画することは難しくありません。次の米国農務省のウェブサイトをご覧下さい。www.choosemyplate.gov このウェブサイトは食事療養者や妊婦から子供たちまで役に立つサイトです。食生活において健康的な食品を選択をする方法を学んでください。

食品の安全

食中毒: 妊婦中において、食中毒は母親と赤ちゃんに深刻な問題を引き起こすことがあります。嘔吐と下痢は、身体から非常に多くの水分を失う原因になるため、体のケミカルバランスを崩す場合があります。食中毒を防止するために、一般的なガイドラインに従ってください;

  • 食物は食べる前にきれいに洗ってください。 食べる、切る、調理する前に、すべての生製品を水道の流水で完全にすすいでください。
  • キッチンを清潔に保ってください。生の食品を扱ったあとは、手、包丁、調理台やまな板をきちんと洗って下さい。
  • 生で十分に加熱調理されていないシーフード、卵と肉を避けてください。生魚の寿司などを食べないでください調理された寿司は安全です)。牛肉、ポークまたは家禽のような食物は、内部が安全になる温度で調理されなければなりません。

リステリア症: これは、バクテリアに起因する一種の食物性疾患です。妊婦は、一般より13倍リステリア症にかかりる可能性が高くなります。リステリア症によって軽いインフルエンザのような徴候(例えば熱、筋肉の痛みと下痢)が起きることがあります。しかし少しの徴候も出ない場合もあります。リステリア症は、流産、死産と早産につながる場合があります。抗生物質は、感染症の治療や、胎児を保護するために処方されることがあります。リステリア症を防止するために、妊娠中に以下の食品を食べることを避けて下さい;

  • 非殺菌牛乳と非殺菌牛乳で作られた乳製品
  • ホットドッグ、加工肉食品や冷たい肉など、出される前に加熱されてないもの
  • 冷凍されたパテと肉やスプレッド
  • 冷凍された燻製のシーフード
  • 生で十分に加熱調理されなかったシーフード、卵と肉

水銀と魚: 水銀は、自然界に存在するものと、人工的なものがあります。空気中にある水銀は、川、湖や海に流れます。水銀は少量であっても、成長し始めた赤ちゃんの脳に損傷を与える可能性があります。水銀を多く摂取しすぎると、将来の子供のふるまいや、学習能力に支障をきたす場合があります。ある種の魚は、他の魚と比べ水銀を多く含んでいます。水銀の摂取を制限するために、以下の簡単なガイドラインに従ってください。エビ、サーモン、ナマズとスケトウダラなどの魚や甲殻類を選んでください。サメ、メカジキ、サワラまたはアマダイを食べないようにしてください。白い(ビンナガマグロ)マグロを1週につき6オンスに制限してください。

その他の考慮点

カフェイン:カフェインが流産のリスクを高めるかどうかははっきりとわかっていません。大部分の専門家は、妊娠中に1日につき200ミリグラム足らずのカフェイン(カップ1杯の12オンスのコーヒー)を消費することは安全であると述べています。

ベジタリアン:ベジタリアンの方は、色々な食品を食べる限り、特別な注意を必要とするものは多くありません。以下のものを十分に摂取するようにしてください。

  • カルシウム(4サービングの牛乳、パクチョイ、ケール、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワーなどの野菜、カルシウ強化オレンジジュースなど)
  • ビタミンD(1日につき800IU)
  •  鉄分
  • ビタミンB12
  • タンパク質(完全タンパク質は、すべての必須アミノ酸を含みます)

完全タンパク質が摂取できているか確認するために植物ベースの食品の適当な組合せを確実にするため

にベジタリアン料理の本などを参照すると良いでしょう。