将棋倒し事故を防止するには?
2014年12月31日の大晦日に起こった将棋倒し事故は、多くの人に衝撃を与えました。大晦日の夜の楽しいはずのカウントダウンのイベントで、多くの人が永遠に帰らぬ人となってしまったのです。救急医として、このような事故が二度と起こらないようにするため、みなさまに将棋倒し事故から実を守る方法をご説明します。
将棋倒し事故は、非常に混雑した場所、狭い通路や、特に斜面(例えば階段やステップ)がある場所で起こやすくなります。群集が突然進行方向を変えたりした場合、転倒は起こりやすくなります。そして、混乱を導き、群衆の勢いがより増し、何が原因かわからない人々は恐怖を感じ、さらに動きが早くなり、より多くの犠牲者を生むことになります。転倒や将棋倒し事故の大部分の死因は、窒息によるものです。もし5人の大人に後ろから押された場合、肺は呼吸をするために拡張できなくなります。そしてこれが数分続くだけで、脳が酸素不足に陥り、気を失ってしまいます。心肺で起これば、生存の可能性は実質的にゼロになります。
個人的に言えば、第一に、危険な場所を避けるべきです。みなさまが群集の中にいて、群集を誘導する警察官や保安官が見えない、または聞こえない場合、または群集を回避する十分なスペースが確保できない場合、注意深く、できるだけ早くその群集から抜け出すべきです。
多くの人があなたの周りにいて、四方から押されている場合、用心深く群衆から抜け出す方法を見つけて下さい。誰かに押された場合、十分な歩幅をキープすることができず、簡単につまづいてしまいます。そして一度つまづくと、他の誰かも次々にその人の上につまづき、つまづいた人は立ち上がることができなくなるか、自分を守るための姿勢すらとれなくなります。一般にお勧めするのは、水平に動くこと、またはアルファベットの『Z』を描くように群集から抜け出して下さい。しかし、その際は十分に気をつけて、体を安定させながら、バランスを失わないようにしてください。
転倒、または将棋倒し事故が身の回りで起こった場合、残念なことに、自分自身を守ることが難しいかもしれません。それは群集に漂流してしまうからです。平常心を保つことができる場合、水平に移動し、群衆の向こう側へ移るために最善を尽くすべきです。 例えば手すりなどを幸運にも掴むことができれば、姿勢を安定させてください。
参照:
How Not To Get Trampled at the Inauguration: Don’t go with the flow. By Amanda Ripley, Slate.com Monday, Jan. 19, 2009