時差ぼけと不眠
日常生活におけるプレッシャーやスピードは、コントロールするのが難しいという考えのパターンを加速してしまいます。夜に時々、我達の脳は、睡眠前に思考プロセスをスローダウンさせたり、マインドのスイッチをオフにできなかったりします。そして結果として不眠症を招いてしまいます。不眠症の主な原因の1つは、時差ぼけ、つまり長距離飛行に起因するストレスです。成人の35%以上は不眠症に悩みます。そしてその半数は時差ぼけのために深刻な問題を経験しています。
以下の基準の3つに当てはまる場合、不眠症と呼ばれます;
- なかなか眠りにつけない、または睡眠を維持できない、早く起きてしまうなどで体が回復しない、または睡眠の質が低い
- 睡眠時間は十分にあるのに、睡眠が困難である
- 睡眠不足のための疲れ、集中力低下、気分の変動、うとうとする、エネルギーがでない、事故や失敗の増加、筋肉の緊張、頭痛、睡眠の心配などで、日常生活に支障をきたす
どうすればよいのか
第一歩は、睡眠衛生として知られる、熟睡の維持に役立つ行動を実践します。
- 完全に回復するまで寝る(成人の場合、通常7~8時間)
- 必要以上の睡眠を避ける
- 規則正しい睡眠スケジュールを維持する
- 無理やり寝ようとしない
- 午後にカフェインの飲料などを飲まない
- 就寝時間の前にアルコールを飲まない
- 喫煙や、その他のニコチン物質を避ける
- ベッドルームを改善させ、刺激物を減らす(ライト、音、温度など)
- 就寝時間前に、心配事などは解決させておく
- 毎日、就寝時間の4~5時間以上前に少なくとも20分以上は運動する
- 昼寝をしない
刺激のコントロール — ベッドを心地のいい眠りに結びつける代わりに、不眠症の人はベッドに入ると寝れないという恐怖に直面します。この結びつきは強くなり、眠ることが困難になるのはより恒久化していきます。
刺激コントロール療法は、この結びつきを対処する処置です。眠くまるまでベッドに行ってはいけません。そしてベッドは睡眠のためだけに(読書やテレビを見る、食べる、心配するためではなく)使わなければなりません。ベッドに入って20分経ってもまだ眠れない場合は、ベッドルームを出て、読書をしたり音楽を聞いたり、リラックスする活動をします。この時間は、患者はテレビを見たり物を食べたりするような刺激的な活動をしてはいけません。ベッドルームを出たら、疲れて眠る準備ができるまでベッドルームに戻ってはいけません。そしてまたベッドに入って20分経っても眠れない場合は、このプロセスを繰り返さなければなりません。目ざまし時計は、週末も含め、毎朝同じ時間に起きるためにセットしなければなりません。
リラクゼーション — 筋弛緩療法は、睡眠時間の前に行います。筋弛緩療法には、一般的にプログレッシブ・マッスル・リラクゼーション(漸進的筋弛緩法)とリラクゼーション反応の2つの方法があります。
- プログレッシブ・リラクセーションは、全身がリラックスするまで1つずつ筋肉を弛緩させていきます。顔の筋肉から始め、筋肉は1~2秒間穏やかに収縮させ、そして弛緩します(数回繰り返します)。同じプロセスを他の筋肉にも用います。あごと首、上腕、前腕、指、胸、腹部、臀部、腿、ふくらはぎと足。 必要に応じて、このプロセスを、およそ45分間繰り返します。
- リラクゼーション反応は、心地よく横になる、または座ることから始めます。目は閉じ、リラクゼーションを全身を通じていきわたらせます。後に、リラックスした腹部の呼吸パターンが確立されます。日常の考えから離れ、温和な言葉やイメージなどの中立な精神の集束装置へ指示されます。
認知行動療法(CBT)は、現在 その効果の長期性や、副作用の少なさから、慢性不眠症に悩む患者の第一の治療法として考えられています。いくつかのよくコントロールされたトライアルは、CBTが薬物療法と筋弛緩療法より優れていることを示しました。 (3、4、5)
時差ぼけは、人々がタイムゾーンを越えて旅行するときに、起こる状態です。人はより多くのタイムゾーンを横切るほど、時差ぼけを患います。人は新しいタイムゾーンに適応して、時差ぼけは治りますが、これには数日がかかることがあります。
症状は;
- 睡眠障害(眠りにつくまで、または寝ている間の問題)
- 日中に体がだるい、または眠い
- 思考力、集中力、活動力の低下
- 便秘などの胃腸問題
- 具合が悪い、またはいつもよりエネルギーがないと感じる
いくつかトライできるものがあります;
- 起きていて、新しい時間帯に食事をする
- 運動・エクササイズをする(就寝前は避ける)
「メラトニン」と呼ばれている補助食品は、時差ぼけの睡眠問題に効果的です。メラトニンは、脳の下垂体によって自然に作られるホルモンです。更にメラトニンを摂取することは体が新しいタイムゾーンに適応するのを助けることができます。服用は、就寝30分前に5ミリグラムです。メラトニンを服用している間は、アルコールの摂取を避けてください。
参照
1.Insomnia and its treatment. Prevalence and correlates. AU Mellinger GD, Balter MB, Uhlenhuth EH SO Arch Gen Psychiatry. 1985;42(3):225.
2.UpToDate Overview of insomnia, Michael H Bonnet, Donna L Arand,
3.J Clin Sleep Med. 2014;10:127-135
5. http://www.journalsleep.org/Articles/260209.pdf
6.UpToDate Jet lag. Andrew Herxheimer, Ruth Benca, April F Eichler,