ナビゲーション

Optometrist performing visual field test

質問:緑内障はどのような病気ですか?予防や治療は可能ですか?

眼科医のJune Chengが答えます・・・

緑内障は、視力損失と、最終的に失明を引き起こす可能性のある、視神経に影響を及ぼす眼病です。緑内障は、大きく分けると、閉塞隅角緑内障と、開放隅角緑内障の2つの種類があります

閉塞隅角緑内障は、アジア人の遠視の人に多く見られます。緑内障を患う人は、前房隅角が狭く房水の排出をブロックしてしまっています。これらが眼圧を上昇させ、視神経にダメージを与え、永久的な視野欠損につながります。

開放隅角緑内障は、ヨーロッパやアフリカ地域の人に、より多く見られます。この種類の緑内障は、前房隅角の身体的な妨害物が無いにも関わらず眼圧は高くなります。一般的に、この種の高い眼圧は、不快感や痛みも引き起こしません。

閉塞隅角緑内障はどのように予防することができますか?

周辺虹彩切除術(peripheral iridectomy)と呼ばれる治療法は、閉塞隅角緑内障に効果的です。前房隅角がブロックされてしまった場合はレーザーで虹彩に小さな穴をあけ、迂回路を造ります。房水がその穴を通ることができるようになります。狭い隅角を持つ人は、この予防治療を受けることをオススメします。

開放隅角緑内障はどのような治療が可能ですか?

いくつかの治療法が、開放隅角緑内障の治療において使われます。最も一般的で、第一線の治療法として用いられるのは、眼圧を下げるための点眼です。通常は1日1滴です。前房隅角の細胞を刺激し房水を目から流すようにするレーザー治療もあり、点眼の代わりの治療として用いられますが、レーザー治療の効果は永久的ではありません。最終的に、もっと進んだケースでは、手術で前房隅角の房水を取り出すこともあります。

緑内障で他に知っておいたほうが良いことはありますか?

緑内障は、長い年月をかけて、症状無しに、視力損失を引き起こす視神経のダメージを与えます。視野狭窄は周辺から徐々ににくるので、殆どの緑内障患者は自覚症状の無いまま、末期症状に至るまでその変化に気づきません。緑内障で一度喪失した視野は回復させることができません。従って、緑内障は早期発見し治療することが最も大切です。眼科医は、通常の眼科検診において、すてての緑内障の患者をチェックします。良い視力と、目の健康を維持するために、定期的に眼科医に行くことは非常に大切です。

参照:

Congdon NG, Friedman DS. “Angle-closure glaucoma: impact, etiology, diagnosis, and treatment.” Curr Opin Ophthalmol. 2003; 14: 70.

Weinreb RN, Khaw PT. “Primary open-angle glaucoma.” Lancet. 2004; 363: 1711.